「渡海さんはエイプリルフールやるんですか?」

通っている整骨院のお会計の時に突然聞かれて動揺した。

私の担当の先生ではなく、受け付けの時だけ言葉を交わす感じの相手なんですが、日頃から多分自分の担当の患者さんに対しては積極的に世間話をしていて、多分体調や怪我の具合についてそれとなく探るためなんだろうなあと思っていたんですよ。

私の前にお会計した患者さんとも、

先生「今日はお洒落ですね」
患者「ゴルフ場から直接来たから」

先生「明日から海外でしたっけ」
患者「そうそう中国」
先生「お気をつけて」

みたいな会話をしているのを聞くともなしに聞いていたたけど、私はそういう感じの会話をふられたことがなかったので、普通にお会計すませてさて帰るか、という瞬間、

「渡海さんはエイプリルフールやるんですか?」

と聞かれて、妙にうろたえてしまいましてね!

そんな挨拶みたいにエイプリルフールやるかやらないか聞く感じなんですか最近の世の流れは。
それともエイプリルフールをやることにより怪我が悪化する可能性とかある? のか?

などと考えてまごまごしつつ、
「私はやらないです」
と答えたんだけど、狼狽していたせいで、
「他の人のを見て楽しむ感じです」
と余計なことを付け加えてしまった。

「他の人のですか?」
って掘り下げられてしまったので、また動揺して、
「好きな配信者さんの動画を見たり…」
「へー、配信」
さらに掘り下げたそうな空気を察して、
「VTuberとか…」
などとどんどん要らぬことを付け加えてしまう。

「じゃあスパチャとか投げるんですか?」
「い、一回だけ…」

何をそんなに動揺していたのかというとですね、私の最推しのVTuber…いやあれはVTuberなのか…とにかくそういう存在の人が、年に一度、今日、エイプリルフールにしか現れない存在だからなんです。

その存在を知ったのが去年のエイプリルフール後で、今年も来てくれるのかくれないのか、来てくれるとしたらはじめてリアタイで推しのライブが見られるかもしれない、という緊張と興奮で頭がおかしくなっていたところだったのです。

そこまで全部早口に説明しそうになったのを堪え、そそくさと院を出ました。
先方は特に何も気にしてないと思うんですがめちゃくちゃ恥ずかしかったです。
自意識過剰のクソオタムーブ。

行くよ。

本当に緊張と興奮でよくわからないことになって、今日は靴の左右を間違えたり、爪をはじき飛ばしたり、家のいろんなものを落としたりしています。しっかりして。

質問されて妙にうろたえたのは別にそれのせいだけではなく(それのせいが九割方だが)、昔は自分でもエイプリルフールやってたなあ、みたいなことを思い出していたからでもあった。
サイトをエイプリルフール仕様にしたり、SS書いたり、ちょっとしたことをやってる時期があったんですよね。今ほどエイプリルフールをみんなが一生懸命やらなかった時代。

四月馬鹿の小ネタを毎年繰り返すうち、気づけば企業が率先して大掛かりなエイプリルフールネタをやるようになり、そうすると天邪鬼なもので「私はまあいいわ」と何もせんようになってしまいましたが、ここまでメジャーになったんなら逆に(逆に?)また何かしらやってみてもいいかなと思えるようになってきた。

エイプリルフールを楽しんでいる人がいっぱいいるところでいちいち「エイプリルフールのノリが嫌い」とか言うエイプリルフールアンチも目立つようになって、そういうムーブが恰好悪く感じるので(気が乗らないなら無視すればいいのに、公言することで積極的なエイプリルフールへの参加になってるのがダサい。まあ言いたくなる気持ちが全然わからんわけでもないけど、わかるからむしろ)、そっちに向けての天邪鬼かもしれん。
気楽に楽しむのがいいよこういうのは。

最近はエイプリルフールで無茶な企画を立ててそれが後日ちゃんと商品化する、みたいな流れもあって、そいうのが楽しみだったりします。あんまりやりすぎると「はいはい商品化前提の話題作りね」みたいに斜に構えた感想を持ってしまうんですが、当日限定で販売するえにからの姿勢は潔くて好きです。

騙すノリは嫌いだけど楽しい嘘がつけたらいいな来年以降。
ヒーロー伊波ライの「ヴィラン」とか、去年の渡会雲雀の「嘘」はとてもよかった。

【 歌ってみた 】ヴィラン / 伊波ライ
嘘 / シド 歌ってみた 【渡会雲雀/にじさんじ】