炎上しかけた(物理)

モンスターハンターワイルズが発売しましたね、かれこれ一ヵ月も前ですが。

カプコン(CAPCOM)
¥7,982 (2025/03/30 18:33:29時点 Amazon調べ-詳細)
【アフィリエイトリンクを含みます】

steam版と迷いましたがPS5でやってます、同居人と一緒に、居間に2台のPS5を置いて。

で、先日も昼食後の息抜きで一狩り行くか、って二人で昼下がりにアルシュベルドのクエストに行ってたんすわ。

そしたら急に、外で非常ベルの音が鳴りまして。
二人でハッとして顔を見合わせました。

「今日消防点検の日だっけ…!?」

ルームシェアしてるマンションで定期的に点検が行われるんですが、おしらせチラシを壁に貼っていても二人してうっかりその日を忘れることも多く、でもまあ一瞬業者が部屋に入ってきてベルが鳴るか確かめてすぐ出て行くだけなので、「まあ来たら対応すればええか」みたいな感じで狩りを続けてたんですよ。

でもおかしい。ベルが鳴り止まない。
業者の人が全戸に立ち入り点検しつつ、ベルを鳴らすのはほんの二、三秒ってなものなんですが。

かれこれ1分以上鳴ってる。

「これは点検じゃないかもしれない」

と思って、とりあえず私だけ玄関の外に出てみました。ちょうど戦っているモンスターがエリアチェンジをしたところだったし。

そしたら、うちの隣の部屋のドアを、反対隣に住むおじいさんがガンガン叩いている。インターホンを鳴らし、「大丈夫ですか!」って叫んではまたドアを鳴らし。
そしてその部屋そばの非常ベルが鳴り続けている。
おじいさんが私に気づいて、「この部屋みたいなんだけど」って言う。

そう、隣の部屋から、猛烈に焦げ臭い匂いがしている。

マジか…と思ってたらドアがやっと開いて、中にいた人とやりとりしたおじいさんが「燃えてるの!?」などと言っている。そして私の方を見て「中が燃えてるって!」
って、ガチで燃えてんの!?

私も慌てて開いたドアを覗き込むと玄関には誰もおらず、薄暗い部屋の奥の方で隣人がボケーッと突っ立っている。
消防署に通報したのか聞いても要領を得ない。
部屋は煙で靄がかっていて、それがどんどん部屋の外まで出て来て、共同廊下もものすごい臭いになってきた。
私はもう「燃え広がったら猫がやばい」ということしか考えられなくなる。

これは私が通報しないとまずい、と思って部屋に引き返そうとしたら(スマホ持って出ればよかった)、さすがに他の部屋の人たちもぞろぞろ部屋から出て来ていて、高校生くらいの男子が「通報します!」ってスマホから119番してくれた。えらい。
なので通報は任せて、集まってきた人たちに「消火器のある人いますか!」って聞いたら、誰かが「ある! 持ってきます!」ってすぐ部屋に取って返してくれたので、私も急いで自分の部屋に戻って、同居人と協力して何はなくとも猫たちをキャリーバッグに詰めた。

キャリーバッグは猫が慣れるよう、あと有事の際にすぐ使えるように、常に部屋に出してあったので、すんなり入ってくれました。
私も同居人もかなり切迫した雰囲気だったと思うんですけど、猫はバッグに入る時にちょっと「いやー」って感じに鳴くくらいで本気で逃げ回ったりもせず、大人しくてえらかった。

間もなく消防車の音が聞こえてきたので、猫を同居人に任せて様子を見に出ると、マンション前にえらい野次馬の人だかりができていてびっくりしました。
ちょうど近場で催し物をやっていたからっていうのもあるんですが、「火事らしい」って聞きつけたらこんなに集まるんだな、人間よ…。三十人くらいがすずなりになっとったわ。

あといつの間にか、消防なのか警察なのかわからんけど制服を着た男性がマンション前の通りで交通整理(もしくは野次馬整理)を始めていて、対応の早さにびっくりした。ありがたい。

隣の部屋の前にはさらに住民が集まって様子をたしかめていて、どうやら「両親が不在の時に子供だけで料理をして、ガスコンロの火が近くのものに燃え移ったけど、もう消し止めた」ということがわかる。
何でぼんやり突っ立ってるのかと思っていたら、どうやら子供だったらしい。中学生か高校生が二人いたみたいだけど、びっくりして咄嗟の対応ができずに呆然としていたんだろうなあ。

そうこうしているうちに姿を見せた消防車が、マンションの前をスーッと通り過ぎていった。
私の近くにいた奥さんがすごく慌てて車を追いかけに飛び出そうとしたので「消火栓があるところまで車を動かしたのかも」って言ったら「そっか!」って妙に力強く頷いたのがなぜか印象的でしたが、思い付いたまま答えただけなので違ってたら気まずかったな。

幸い(なのか?)そういうことだったらしくて、すぐに消防服を着た人がマンションに駆けつけて来てくれました。
が、どこかの部屋のおっさんが消防の人に向けて「もう火が消えたから大丈夫でーす」とか言って「帰れ帰れ」みたいなジャスチャーをしおる。
バカバカ大丈夫なわけあるか、と思って私と先刻の奥さんで「この部屋のキッチンから火が出たらしいので状況を確認してください!」って慌てて消防の人に声をかけました。
さすがに出動要請があって来た消防の人が何の確認もせずに帰るわけもないでしょうが、追い払うように帰らせようとするおっさんにびっくりしたわ。
必要ないから帰れ、っていう雰囲気ではなくて、「大事じゃないのに大事になってしまってきまり悪い」みたいな風情でした。おっさんもおっさんで混乱していたんでしょうが、一旦燃えたんならもう大事なんだよ、どこかに火種が残ってたらまた燃えるかもしれないんだぞ。

消防の人が一旦隣の部屋の中に入ってから、その人の指示で別の人が車から放水用のホースを引っ張ってきていたので、もう消えていたにせよ結構燃えていた形跡があったのかもしれない。
でも避難指示などもなかったし、消防の人(と他の住民)が増えてきたので、私は邪魔にならないよう自分の部屋に引っ込みました。

そしたらうちの部屋もえらい焦げ臭い臭いが充満していた。
火事かも! って思った時は「何とかせねば」の緊張感しかなかったんですが、そこで改めて生々しい恐怖を感じたりなどしました。

猫がさ! いくら自分たちが気をつけてたって、外出中に地震とか火事とかあったらどうにもならないよなって!
出かけるたびに心配してるんですが、その心配がリアルなものになってめちゃくちゃ怖かった。
今も怖い。

しかし猫たちは割と呑気なもので、詰められたキャリーバッグの中でくつろいでいたようなんですが、万が一にもバッグ=怖いになってしまったら有事の際に困るため、「いい子にしててえらーい」と全力で褒め称えつつバッグから出し、にゃんspoonをあげてご機嫌とりなどしておきました。

猫は焦げ臭いのもあんまり気にしてないみたいだったな。パニックになっても困るけど、危機感は多少あってもいい気がしないでもない。
まあ何ごともなかったんだから、ストレスもないようで結果的によかったのか。

少し時間を置いて、静かになったから消防の人たちは撤収したのかな、って廊下を覗いたら、むしろ警察も増えていて、現場写真を撮ったり、調書のようなものを取ったりと、割と大掛かりなことになっていた。
やっぱりまだすごく焦げ臭かったけど、もう何ら危険はなくなったことに間違いない。ガスも平気そうだったので換気扇を回した。

そして私たちは狩りを再開しました。
「まあ、大丈夫そうなら、狩るか…?」「そうだな…」みたいな、何かこう、妙におごそかな感じで。
特に一時停止とかもせず、私も同居人も戦闘途中でゲームをほったらかしにしてあったんですが、ハンターたちは無事でした。
45分の狩りがタイムアウトになっていなかったので、ベルが鳴ってから大した時間は経っていなかったらしい。

そして昼食後は「一狩りだけね」とゲームを立ち上げたはずのに、無事アルシュベルドを一体狩ったあと、「何か…もうちょっと狩る…?」「そうだな…」みたいな、何だ、もうお互い具体的な心情は説明できないけど気持ちは一緒、みたいな調子で二回くらい狩りをしました。
多分二人とも動転してはいたのだろう。
急には落ち着けないのでゲームを続けた。
何ごともなかったことに安心したからとか、興奮して落ち着かないからとかではなく、ただどうにもフワフワした気分で狩っていた。
気がする。少なくとも私は。

その後も結構長いこと消防と警察の人がいたみたいですが、次の日には何ごともなかったかのような日常に戻っていました。
誰も怪我なく無事で本当によかったです。
火事は本当に怖いよ。

みなさんもどうか火の元くれぐれもご注意を、そして自分が気をつけていても周囲に何かあったらヤバいという気持ちで生きましょう。

今日はワイルズのアップデート情報が出るので楽しみです。