撮影に訪れた廃墟の島で、カメラマンの伊原木は一人の男と出会う。周囲の景色に無理なく馴染む様子に、伊原木は理想の“廃墟の精”を見出した。その彼と町中で再会する。“廃墟の精”の正体は三島要、会社から不当解雇され妻とも離婚し、人生を捨てかけている元エリートサラリーマンだった。行き場のない三島を伊原木が家に連れ帰り共に暮らすうち、自由な伊原木に影響され三島も変わり始め……。年下攻ストレンジ・ラブ!!
イラスト:依田沙江美
2007年に出していただいた文庫の電子書籍化です。
依田沙江美先生のイラストが改めてすばらしすぎる。
昔のディアプラス文庫は電書化しない方針かと思っていたんですが、単純に忘れ去られていただけのようなのでぼちぼち古いのが電子になるらしいです。ゆ、油断していたのに今になってこのタイトルと向き合うことになるとは…。
基本「その時にしか書けないものである」という理由でなるべく当時のまま(誤字脱字以外)あまり修正しない方針なんですが、この本は、割と、細かく、直しました。
大部分は最近のコンプラ的なものへの配慮というか。あとガラケーがガラケーすぎるので多少誤魔化したりな…。
そしてあとがきも全文書き直しました、これは表現方法がどうこうというよりも、三島要というのが自分にとって思い入れ深いキャラだったために、私の痛々しさが前面に出すぎていたので存在を消した感じです。
お話としては自分の好きなものを入れ込んだので、読み返しても自分で楽しかったです。良くも悪くもこういうのは私にしか書けないんだろうなと思うなどいたしました。
三島と伊原木、莉菜と知見のクロスオーバー(?)的なものをそのうち書きたい気がする。誰が読みたいんだというのは別として。