トラブルメイクでろくでなし-あとがき
割と最近、本編というか「ロマンチストなろくでなし(新書館ディアプラス文庫)」が電子書籍かしたのもあって、完売して久しい商業誌番外同人誌からこのお話をデータ化…
割と最近、本編というか「ロマンチストなろくでなし(新書館ディアプラス文庫)」が電子書籍かしたのもあって、完売して久しい商業誌番外同人誌からこのお話をデータ化…
目が覚めた瞬間、体中にものすごい違和感と疲労感と軋むような痛みを感じて、和志は思わず呻き声を上げた。「うー……」 瞼を開こうとしたのに、うまくいかない。和志…
気づいた時には、寝室のベッドで寝ていた。 うっすらと記憶がある。あの部屋から伊勢が連れ出してくれて、タクシーでマンションに戻ってきた。 自分はずっと伊勢に謝…
寧子が記録していた池袋の住所に、松島雅春という男はもう住んでいなかった。「大家さんに追い出されたのよ。何だかいっつもガラの悪そうな人たちが出入りしてるし、夜…
眠くて、自分がいったいどこにいるのか、どんな格好をしているのか、よくわからなかった。 視界がぼんやりと霞みがかっている。体も頭も重たく、思考が空転する。(気…
何度携帯に電話をかけても、『電源が切られているか、電波の届かないところに――』というアナウンスが繰り返されるばかりだった。 和志が突然、『友人の家に泊まる』…
「だからさー、いい加減メシ喰えって、なあ」 肩を少し乱暴に揺さぶられて、和志はぼんやりしたまま、膝に伏せていた顔を上げた。 心配そうな友人に、顔を覗き込まれて…
休憩時間や仕事帰りに店を回ったり、カタログを眺めたりしながら過ごしていくうち、着々とクリスマスイブが近づいてきた。 イブまであと二日と迫った十二月二十二日、…
伊勢へのプレゼントを選ぶために、和志は翌日の仕事帰りに店近くのデパートへ寄った。 あれこれ見て回ったものの、これというものも思いつかず、結局夕飯と夜食の材料…
矢野和志が伊勢千暁と同居――同棲を始めてから、かれこれ三ヵ月ほどが経った。 寧子が伊勢のことを好きだという「誤解」も解けて、伊勢とつき合うことになった時、さ…