平凡な女子高生が異世界トリップして美しい王女に成り代わり隣国の王子と政略結婚しなくてはならなくなる漫画
さっき不意に「アッ、平凡だけど強気でなぜか幼馴染みやクラスメイト(男子)からやたら好かれる男子が異世界トリップして女装させられて隣国の王子に嫁ぐ羽目になり男であることを隠して接するうちに愛され、自分も相手を好きになってしまい、悩み苦しんだ挙げ句『実は男なんだ』と告げるも『そもそもゲイで国のために結婚したからむしろラッキー』ってハッピーエンドになる小説が読みたい」って思ったんですが。
多分そういう話は今いっぱいあるだろうからむしろ好みのものを探し当てるのが大変だろうなあ、などとつらつら考えつつ、「こういう話って昔からいっぱいあったんだよな」と考えて、フッと思い出したのがこれだった。
そういうエピソードがあるんですよ「はいからさんがこけた」っていう、紅緒さんが居眠りしてたらパラレルワールドに飛んじゃって、美しく聡明なベニオ姫に成り代わって隣国のシノブ王子と結婚しなくてはならないっていう話が。上の新装版だと8巻に載ってたはず。
番外編なんですが「ここから1巻に続きます」って書いてあって、子供心に何だかビックリした覚えがある。
76年に雑誌掲載って書いてあるから、40年以上前から女の子はこういう話好きだったんだな。
異世界とは全然関係ないけど青江さんの番外編「霧の朝パリで」っていうのが、子供の頃は全然理解できなかったんだけど、大人になって読んだらすごく好きだった…子供の頃の私の情緒しっかりして…。
紅緒さんが勤める出版社の社長、女嫌いの青江さんがパリに渡った時に女装の美少年と出会い、その少年と不思議な関係を結ぶ…みたいな話なんですが。
子供の頃は青江さんとペールのその関係がまったく理解できなかったのだった。子供の頃の私の情緒の未発達ぶりがやばい。
ネタばれになってしまいますが、青江さんとペールが愛で結ばれているけれど恋ではなく、ペールは女装趣味を持ったまま奥さんを迎え、しかし青江さんは生涯独身を貫く…というのが。今読むと本当に絶妙な感じで、幸せだけど切ない、切ないけど幸せみたいな読後感です(いまの私にとっては)。
そもそも女嫌いで女性を触るとじんましんが出る、でも紅緒さんだけは平気だし愛してしまった、紅緒さんを思い切ろうとした矢先に紅緒さんそっくりな少年ペールに出会って、独身のまま生涯を終えるって。
野生児だった私に理解できなくても当然だと思いますが、これを味わえる大人になってよかった。
子供の頃は狼さんの番外編の「鷺草物語」に抉られて、好きなんだけど辛くて(あと痛そうで)なかなか読み返せなかった。今も気合い入れないと読み返せない。
青江さんとペールは、今だったら互いの間にあるものが「恋」だと判別して普通に結ばれる展開もありなのかなあと思いつつ、でもやっぱり恋ではないところに味わい深さを感じる。
あと10年もしたら、さらに「なんでこれで青江さんとペールがくっつかないの?」と理解できない子供がいっぱい産まれそうだなと、このご時世を鑑みて思う。
同性同士の結婚が当然の世の中になっても、「かつてはそれが普通ではないと思われていた時代がある」っていう前提で、絶妙な関係性の物語が楽しまれていくといいなあと何となく思ったりする。
それはそれとして、最近BL小説の投稿サイトを見ても、ランキングを○○だが異世界で××した系の話がいっぱいあってびっくりした。
BLでファンタジーって昔は敬遠されてたと思うんだけど(仕事でプロット出してダメって言われてた)最近は本当に何でも書いて何でも受け入れてもらえる土壌があるから楽しいなあ。
ファンタジーで書きたいBL割とあるので、隙を見て書きたいなと思っている。
何でも受け入れてもらえる雰囲気とはいえ、商業じゃ無理だろうなーって設定ばっかなので同人誌とかwebでやります…。