舞台「中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~」/musical ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド

舞台「中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~」

Sky presents 舞台『中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~』舞台映像ダイジェスト(2024)

歌舞伎が黄金期に向かう江戸時代中期、彗星の如く現われた破天荒な歌舞伎役者、初代・中村仲蔵(なかむらなかぞう)。
梨園の血縁ではない彼は、四代目・市川團十郎に見出されて異例の出世を遂げ、一代で「名人仲蔵」と言われるまでの大スターになった。
その波乱万丈の人生は、今でも落語や講談でも語り継がれる人気演目である。
この痛快無比の中村仲蔵の物語はドラマ化され、2022年度文化庁芸術祭テレビドラマ部門の大賞をはじめ、数多くのテレビ賞を受賞。
その脚本・演出を務めた源孝志が、今回、新たな視点でオリジナルの舞台戯曲として書き下ろす。

主演が藤原竜也であるという以外に何の前情報もなく行ったうえに、うっかり観劇用の眼鏡を忘れて出かけてしまったため、一幕が終わるまで池田成志にも髙嶋政宏にも市川隼人にも気づかなかった。
どおりで舞台が華やかだったわけですわ。
お金がかかった派手な舞台はいいなあ、(キャラメルボックスで言うところの)芸能人が出る舞台はいいなあ、と思いました。

歌舞伎のことをまるで知らなかったので、知っていたらさらに楽しめたのかもしれませんが、ミリしらで観るのもまた一興かと思い何も調べていかなかった。
さすがにいろんな名前は耳にしたり目にしたこともあるので、却って自分の知ってる松本幸四郎の姿などが脳裡をちらついてそれはそれで面白かったです。

念者や楽屋なぶりものの下りは、きっと一年前に観たのと今観たのでは感触が違ったんだろうなあ…などと思いを馳せてしまった。
芸事云々の話にはよく出てくるところだけど、今後すごくやりづらいだろうな。

というのはともかく、役者に人生をかけるというか人生そのものが役者であるという人の話を観るのは大変に面白かったです。
特に外郎売りのくだりと、最後のシーンがすごくよかった。フィナーレが美しくて、お俊が出て来たところでわけもわからずブワッと泣けて泣けて仕方がなかった。

勢いで歌舞伎のチケットを取ったので楽しんで来ようと思います。

musical ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド

Musical ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド PV

この物語はメキシコから発掘された〈謎の石仮面〉にまつわる
2人の青年の数奇な運命を追う冒険譚である!

19世紀、イギリス――。貴族階級の一人息子、ジョナサン・ジョースター(松下優也/有澤樟太郎)は、“ジョジョ”の愛称で呼ばれ、父ジョースター卿(別所哲也)の厳しくも温かい教育の下で“本当の紳士”になるよう育てられていた。そのジョースター家に、スラム街で生まれ育ったディオ・ブランドー(宮野真守)が養子として迎え入れられる。病死した父ダリオ・ブランドー(コング桑田)が、かつてジョースター卿の命を救った恩人であったため、ジョースター家に引き取られたのだった。二人は対等に育てられ、逞しく成長していくが、ディオは、“ジョジョ”の全てを奪おうと画策していた。愛犬ダニーや友人たち、初恋の相手エリナ・ペンドルトン(清水美依紗)、ついにはジョースター家の財産までも次々と侵略していこうとする。ディオの邪悪な企みに気が付いた“ジョジョ”は、ロンドンの貧民街・食屍鬼街(オウガーストリート)に向かい、そこで仲間になったスピードワゴン(YOUNG DAIS)の協力を得て、ディオの陰謀に加担したワンチェン(島田惇平)を連れて屋敷に戻る。絶体絶命となったディオは、ジョースター家に飾られている、闇の力を持つ<謎の石仮面>を利用し、強大な力を得る。圧倒的な力を手にしたディオに対抗するため、“ジョジョ”は〈謎の石仮面〉を追い続けるウィル・A・ツェペリ(東山義久/廣瀬友祐)の厳しい修行に耐えて〈波紋法〉を体得し、スピードワゴンとともにディオとの決着をつける旅に出る。一方、ディオは切り裂きジャック(河内大和)や伝説の騎士たちなどを従え、邪悪な帝国を築いて“ジョジョ”の訪れを待つ。“ジョジョ”とディオの長きにわたる因縁が、その奇妙な冒険が、いま始まる——。

有澤樟太郎/東山義久の回。
王家の紋章以来の宮野真守でした。

ジョジョは小学生くらいの時に一部と多分二部の途中までは履修したような。
細かいところまでは覚えてなかったんですが、ダニーが出て来た時に急にいろいろ思い出してしまった。ダニー…。

自分で原作を読んだ分というよりネットミームで馴染んだ台詞や擬音が出てくるたびに変な脳汁が出てくる感じで楽しかったです。
というか実際舞台を観て、なんで帝劇がこれに手を出したのかすごくよくわかった、帝劇さんが好きな時代設定ですね。
アンサンブルが高らかに歌い出した時は革命でもおっぱじまるのかと思ったけど特にそんなことはなかった。

漫画っぽさというよりは帝劇っぽさを前面に押し出しつつ、多分原作のらしさもちゃんと出ている、すごくいい舞台だったんじゃないかなと思います。全然飽きずに観られたしずっと笑顔でした(ダニーのところ以外)。
特にジョジョとエリナのとこは可愛らしくて初々しくて最高だったな。
ジョジョに対するディオの執着というか、優越感と劣等感の強さにグッと来た。繰り返し父親が出てくることで「可哀想な少年」感も強調されていて、子供の頃に原作を読んだ時はとにかく「怖くて嫌な奴!」という印象で嫌いだったんですが、今観ると「ジョジョがもうちょっと大人になってよしよししてあげたらちゃんと親友になれたのでは」と思わなくもない。いやそんな義理もないのか。
石仮面が悪いよ石仮面が。

スピードワゴンのことを微塵も覚えていなかったんですが、ツェペリが出て来た瞬間また全部思い出したよこいつ…死ぬ…!(今さらネタバレということもないので書く)
波紋ダンサーズが最高でした。
あとワンチェンがよく動くのですごく楽しかった。

舞台観たらどんどん原作の記憶が甦ってきたな。
それくらいの再現率だったってことですかね。今度ちゃんと読み返してみよう。

エンターテイメント! って感じで本当に最初から最後まで楽しい時間でした。
帝劇は当分お休みですが、できればこのまま定期的に上演する演目になってほしいなあ。どんどんブラッシュアップされるのを繰り返し観たい感。

記事のご感想・ご質問等はこちらから

舞台

Posted by eleki