歴代ペットの名付けかた

エッセイ

サイトのドメイン名にも使っているelekiは、実家で飼っていたヨークシャーテリアの男の子で、カタカナで書けば「エレキ」になる。
渡海エレキちゃん。
実家が電気機器屋(企業相手の、特殊な機械の販売、取り付け、修理)をやっていたので、「エレキテル」から採った。
誰が付けたんだったかな、父かな、私かな。なかなか可愛くてイカした名前だったと思う。
気に入ったので、同人活動を始めるにあたってサークル名(屋号)を「電気犬工場」にした。
ホームページが「デンノウエレキング」なのもそういう理由。

エレキの二年くらい後に来たお嫁さんが、ミミ。
耳が大きかったのだ。

エレキとミミの子がサンディ。日曜日に生まれたのだ。

だんだん雑になっている気がしないでもないけれど、エレキの前に飼った雑種のぶちいぬの名前が「いぬ」だったので、だいぶ文化的な名付け方にはなったと思う。

「いぬ」の前に飼っていたコザクラインコの名前は「とり」だった。
つがいで飼って、オスとメスがいたけど、両方とも「とり」だった。
「とり」夫婦から産まれた小鳥の名前も「とり」だった。

「とり」たちの前に飼っていた青いセキセイインコのオスの名前は「花子」だった。
もらってきた時から「花子」だったので、なぜオスなのに花子だったのかは知らない。

急に思い出したが、私の幼馴染みは、中学生の頃エレキのことを「ゲロちゃん」と呼んでいた。
彼女のクラスにゲロちゃんと呼ばれている男の子がいて、エレキはゲロちゃんに顔がそっくりだったらしい。
私が「エレキだよ」と言っても彼女はエレキを「ゲロちゃん」と呼ぶのをやめないのでそのうち諦めた。

ゲロちゃんは、てっきりゲロを吐いたことがあるからそう呼ばれているのかと思ったが、幼馴染み曰く「顔がゲロちゃんって感じだから」だそうで、何にせよ相当ひどいネーミングな気がしたけれど、ゲロちゃん自身は特に気にしていない雰囲気だった。ちなみに割と美少年だった。
他にも「チクちゃん」と呼ばれている女の子がいて、身体検査の着換えの時に乳首が見えたからだそうだ。
「ハミゲ」と呼ばれている女の子もいて、やはり着換えの時に脇毛がはみ出していたかららしい。途中からは「ハミちゃん」になった。
「磯野君」は当然ながら先生含めた学校中から「カツオ」と呼ばれていた。
「太田井さん」はそのまま「太田井さん」ときちんと苗字で呼ばれ続けた。イントネーションは言うまでもなく「太田胃散」と同じだった。
クソ田舎だったので渾名が雑で、呼ぶ方も呼ばれる方も全然気にしていなかった。

私といえば、小学生の頃のスポーツ少年団の後輩からは「エイリアン」と呼ばれていた。宇宙人のように、言動が意味不明だったかららしい。
私を「エイリアン」と呼び始めた後輩は、ものすごい美少女で、目が大きかったので、出目金の「デメさん」と呼ばれていた。
田舎の名付け方は本当にどうしようもねえな。

中学時代のある時期転校生がなぜかいっぺんに三人もやってきて、そのうちの女の子が「ゴウダさん」だった。私たちはワクワクした。
しかしゴウダさんは都会から来た物静かな子で、田舎者だけど見知らぬ都会に対しては奥ゆかしかった私たちは、彼女を下の名前の「カオリちゃん」と呼んだ。
同時に転校してきた他の男子二人は、私たちの奥ゆかしさを見習うことなく、ためらいもせずカオリちゃんを「ジャイ子」と呼んだ。
カオリちゃんは泣き出して、登校拒否になった。
まだ親しくない子を「ジャイ子」と呼ぶのは失礼だとわかっていても、「ジャイ子」と呼ばれて登校拒否になってしまうほど傷つく女の子がいるということは、私たちにとって衝撃だった。
あの時私たちのクラスの文明が一段階上がった気がする。

動物の名付けの話をしようと思っていたのに、途中から人間の名前になってしまった。まあいい。カオリちゃんとはその後仲よくなってよく一緒に遊んだ。

実家を出て初めて飼った動物がロボロフスキーハムスターのつがいで、オスが「ぺもた」メスが「ぱみこ」だった。
由来はよくわからん。多分語感できめた。
私はどうもネーミングセンスが独特らしい。そう言われるとそういう気もしてくる。だとしたら遺伝では?

初代サビねこの「ケイティ」というのは元々の飼い主である式部さん(同居人)がつけた名前で、何かのゲームに出てくるキャラクターだそうだ。パラッパラッパーだっけ?
あ、そうだそうだパラッパラッパーだ。今「パラッパラッパー」「ケイティ」で検索したら、額に三日月模様のある猫が出てきた。
ケイティも額にちょっとそういう感じの模様があるからだった気がする。

小サビ姉妹の姉「さくら」は、ケイティが骨になった日に近所の公園で桜祭りをやっていて、何となく桜の植木を買った時に、「次に飼う子はさくらという名前にする」と私が勝手に決めたので、そのままつけさせてもらった。
「デイジー」と名付けたのは式部さんで、さくらがお花の名前で和風だから、同じくお花の名前シリーズ、かつ洋風にしたいという希望から。
「ケイティと母音が一緒なんだよ」と笑っていた。なるほど。

実は、万が一運命の出会いがあったら、あと一匹くらい猫を飼ってもいいかもねと式部さんと話している。
そうしたらまたお花の名前にするのかな。
木、草と来たので次は果実でもいいのかな。
一緒に暮らす動物の名前をつける時はいつでも楽しい。

エッセイ

Posted by eleki