実録小説

なちんヌは地元の本屋ではチェンジHを買わない。
チェンジHをなちんヌに教えると、公式発売日には本屋に行くと言うので
私もその日、ついて行くことにした。
果たしてそれは入荷したての輝きをまとって棚に並んでおり、あたかも
なちんヌという白馬の王子を待ちわびている清らかな姫君を思わせる風情で
そこにたたずんでいた。
なちんヌは一瞬それに手をかけるそぶりを見せ、だが、踵を返した。
「買わないのか。もう棚に2冊しかないが」
私は怪訝に思い、問いかけた。なちんヌはおごそかに呟いた。
「私が今ここでこれを買ってしまっては…
ここを訪れたチェンジHの存在をまだ知らぬ変態紳士の誰かが
偶然手に取る、その出会いの機会を奪うことになる」
「なちんヌ…」
「私は既にそればすばらしい雑誌だと知っている。Amazonでぽちるさ」
私は書店を出るなちんヌを追いかけた。神々しくも見える後ろ姿であった。
優しい変態。それがなちんヌなのだ。

 
近所のまんが家の変態の方の人が日記に書いていた小説…。
はたしてこの日記が書かれた翌日にアマゾンから「在庫なくてあなたんちにチェンジHを届けられないの、確保する努力はするけどダメだったらごめーんね」というメールが届いていたのであった。わたしは自分が爆発するか、アマゾンが爆発するべきであると思った。
いや上の日記のような状態だったのは一冊目の時で、二冊目は発売前からちゃんと予約してたんですけどね。届かないって。ないわー。
でも昨日届いたので早まって他の変態紳士のしあわせを奪わなくてよかったです。
これで地獄に堕ちたとしても同胞が助けてくれる。

チェンジH blue (TSコミックス)

チェンジH blue (TSコミックス)

本当に日本に生まれてよかったなって思います。厦門潤さんが載ってて嬉しい!

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