秋山さんが悪いんだと思う

昨日はあまりの自分の愚かさに落ち込み一日ぐだぐだでした。
エリザベートの前楽、すごく楽しみにしていて、今期ラストだし、一路がどうなるかわからないし、気合い入れて見るぞ! と前の晩から筆舌に尽くしがたく楽しみにしてたんですけどね。

そもそも、朝、チケットをロッピーで取ろうとしたのに寝坊した時点で、雲行きは怪しかったんです。
友だちと二枚ずつ取る約束で待ち合わせしてて、「今から家出るよー」ってメールで飛び起き、家着のまま家を飛び出して、まあ販売開始の10時には間に合ったんですけど。
開始30分前になって気付いた、自分らが取ろうとしているチケット、電話じゃないと受け付けしてくれない。ロッピー使うのは組合わせの違うチケットだった。
で、慌てて外に出て電話し始めたんですが、案の定まったく繋がる気配がなく、それから1時間以上外で(途中ドトールに移動しつつ)電話し続けたんですが、結局繋がらなかった。
エリザがマチネなので、支度とかあるしとりあえず友だちと別れて帰宅。マチネはいつも13時開演で、人と待ち合わせる時は開場に合わせて12半に着くようにしてるんですが、まあ今日はひとりだし15分前に着いてりゃいいや…と、家でもひたすらチケットのために電話し続け。
ふと、いつもマチネの時に出かける時間が10分前に近づいていることに気付いた。15分遅れに出発時間を設定したから、あと25分で支度しなくちゃ。
どうにも繋がらない電話は仕方なく諦め、あ、とにかくエリザのチケットを忘れず鞄にいれとこ、って手に取ってね。

目を疑いました。
開演12時。
12時って書いてある。

時計を見ると、この時点で11時25分。
自宅から会場までは、まる1時間掛かります。

声にならない悲鳴を上げつつ、すっぴん眼鏡、家着のまま、とにかくチケットだけを握って家を出ました。
その格好のまま日比谷まで電車を乗り継ぎ行きました。
マッシュマニアのパンツ、イングッドライトのTシャツ、ユニクロのパーカー、MIZUNOのスニーカー、すっぴん、作業用の眼鏡、500円で買った茶色に金糸で象を縫い取った鞄。
アウトかセーフかで言えば完全にアウトです。
行きがけにひっつかんできたパルガントンのファンデーション(アウト)は、使い果たして捨てようと思っていたものでした。正直に言います。わたし歯も磨いてないし顔すら洗ってませんでした。髪に手櫛でぐちゃぐちゃです。

しかしそんなことに構っている場合ではありません。電車はタイミング悪く特急が行ってしまったばかり、次の電車は10分後。もう心臓ばくばく。ひとまず電話、そう電話、友だちに、わたしはチケ取り無理だからもうひとり分取っておいてくれと伝言を。しなくては。あと最短距離で会場に着くために路線案内を見なくては、と鞄を探って携帯電話を取りだ――

携帯がない。

本気の嗚咽が出そうになりました。この時点でわたしのパニックは最高潮です。落ち着け、とにかく落ち着け、冷静に、最も早く辿り着くルートを探るのだ。
そう自分に言い聞かせるわたしの耳へ飛び込む、人身事故による電車遅延のアナウンス。
ああ、どうして雨の土曜日にでかけるといつも人身事故が起こるのかな、前に家の目の前で飛び降り見た日も土曜日で雨が降っていたな、と燃え尽きた矢吹ジョーのようにベンチへ座り込む。

やっと来た電車に乗り込み、一個目の乗り継ぎ駅に着いた時点ですでに開演時間を過ぎていました。
いつもは電車を二回乗り継いで有楽町まで行って、そっから歩いて日生劇場まで向かうんですが、その歩く時間、乗り換え時間のロスを減らすべく、乗り換え駅で改札を出てタクシーをつかまえる。
そしてまあこんな時にはタクシーがつかまらないわけですね。
やっとつかまった、と思ったら、「方向逆だから降りて」と言われて放り出されてしまう。
何だかんだやっとタクシーつかまえて会場着いたのは、電車を使った時と変わらない時間でした…。

そっと劇場に入った時、すでに六場が終わろうとしていた。ルキーニが「番狂わせ おーもし、ろーい!」と高らかに歌い上げたところで着席、何ごともなかったように拍手する。
で、すぐ七場が始まったんですが、そこでハッと気付いた。
わたしが家からかけてきた眼鏡は作業用、パソコンを近距離で見るためにかなり度数を落として作っているものです。
そして今日の席は一階のかなり後方。
まったく人の顔が見えない…。
こ、こんな時のためにすごい倍率のオペラグラスがあるじゃない! と、取りだそうとして気付いた。この鞄、いつものじゃない。近所の買い物用で、財布しか入っていない。
ああもうなんでコンタクトケース引っつかんでこなかったんだろう…ともう奈落の底まで凹みながら、とにかく筋はわかるし台詞も動きもわかるから、想像で補って観劇しよう、と自分を励ましたんですが。
昔から、視界がぼやけると思考が散漫になってしまう癖があって、しかもその時気の重い考えごとがあって、ややもするとそれに気を取られてしまう。
呆然とするうちに一幕が終わってしまい、幕間でオペラグラスを買い、気を取り直して二幕鑑賞。
ここでやっと落ち着くことができました。

ああもう、今年最後のエリザなのに、ホントにアホなことしでかしたもんです…。
自分に失望すること甚だしい。
消化不良になってしまったので、楽日を今から取れないかと思ってあちこち調べたんですが、さすがにもうどこも売ってるとこなかった…。
バカだバカだもう。

集中して見た後半、シシィとトートは言うまでもなく、綜馬さんとウラケンの出来がかなりすばらしかったので、気持ちが持ち直して、カテコまで一気に行けたんですが、帰り道でまたどんどん気が沈んできて辛かった。
沈むついでにまた最近ずっと考え続けている嫌なことを、くよくよくよくよ考えてしまって、地元駅にたどり着く頃にはすっかり泥の中に沈んでおりました。
憂さ晴らしのため徳用サイズの麩菓子を買ってほとんどひとりで喰ったったわ。健康のために控えていた煙草もジャンクフードも苦手な酒も飲み食いして、友だちのやってる乙女ゲーを鑑賞して、

あまりのひどい物語の展開に余計落ち込む。

不貞腐れて勝手にそのまま人んちに泊まってさらにぐだぐだ酒飲んだり菓子喰ったりする。デカダンス。

そして未だに落ち込んでいる。事実に落ち込むというより、状況に落ち込むのだからご苦労様なことです。お芝居が30分見られなかったことに対する後悔をする時間はすでに過ぎ、連鎖的に自分のダメさとか不遇さを考えて「そーか、12年後だからおれ27だな…」と呟きながら自己否定のスパイラルに耐えかねいっそもうパソコン破壊して失踪して違う土地でプロフィールを捏造してネットアイドルになろうと思い詰め、

さっき朝撮ったデジモンのビデオ見たら元気になりました。

おたくでよかった。

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Posted by eleki