一撃必殺ハライター
歯医者に行ったら、初めて見る大先生が（わたしはいつも若先生が診てくれてる）患者さんと喧嘩していてびっくりした。
何か入れ歯の調子が悪いからやり直して欲しいって言ってるんだけどおばあちゃんが、先生は「一度やったら決まった期間やり直しはできない」みたいなことを説明して、でもやっぱりやり直して欲しい、どうしてやり直しを嫌がるのかって喰い下がっていて、どんどん険悪になっていて、若先生に前歯削られながらひやひやしました。
「アタシが嫌だって言ってるんじゃないの、お上が決めたことだから！」
と怒鳴っているたぶん父親をまったく無視して、若先生はマイペースにわたしの治療を続けておった。
この先生は本当にマイペースです。こないだは予約時間に普通に行ったら、黙然と掃除機をかけていた。朝とか診察終了後じゃなく、助手に任せるでもないんだな。
寝癖めがねの大変好ましい先生です。
で、大先生の方は、とうとう「アタシは誠心誠意やってるの！ 気に入らなければ何度でも直してあげるから！ あなたはあちこちであたしが下手だってあちこちで触れ回ってるけど、まあ言うのは勝手だけど、いい加減にやってる仕事じゃないから！」と怒鳴りだして、怒っている人が苦手なわたしはひっそり泣きそうでした。
女の人のヒステリーな叫び声じゃないだけましだったですが。どうも怒ってる人を見ると、身が竦んでカチコチになってしまう。
そしてこれだけ大先生が怒っていても、「あらそんなこと誰が言ったのいやあね」みたいに薄笑いを浮かべていたおばあちゃんはすげえなあ、と思った。まあ気まずくて笑ってたのかもしらんが。「あんただよ！」とつっこみを入れられておった。
何て言うか、橋田壽賀子のドラマみたいだなあ…と思った。
いろんなとこで悪口言いながら同じ歯医者に通うおばあさんも（文句があるなら違うとこいけばいいじゃんな）、その悪口を本人に告げ口したのであろう誰かも、そのことでおばあさんを責めるお医者も、昭和の香りがして気味が悪かったです。
そして若先生は最後まで淡々とわたしの治療を進め、何事もなかったかのように「はい、じゃ、お大事にー」とパソコンに向かっていて、ひとり平成の人でした。
次は大先生がいないといいな…。
全然話題は変わるんですけど、サイトにつけてるおえびで、水彩画みたいに塗るツールがあるのを初めて知った！ 感動した！
みんなどうやってむらっぽく塗ってるんだろうとずっと不思議だったんですけど、やっと謎が解けました。へえ〜！
いやそれだけなんですけど。
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