「元魔王の逆行魔術師は恋と快楽に堕ちる」裏話

禁忌の黒魔術使いとして〈残虐王〉アルシーザに処刑された〈魔王〉フィオン。目覚めたら時を20年ほど遡り、幼い姿に戻っていた。今度こそ真っ当に生きようと人生立て直しを図るが、フィオンにはあらゆるものを魅了する性質があった。夜な夜な現れる精霊に不埒な真似を仕掛けられ、すっかり感じやすい体に開発されてしまう。快楽に流されるまいと己を律すること5年。ようやく入学した全寮制の学院で、フィオンは若きアルシーザ王子と再会し……!? 逆行再会から始まるエロティック・ファンタジー!!

イラスト:北沢きょう

エロティックファンタジー!! です。
発売から十日ほど経ちましたがご購入くださった方はおられるでしょうか。
おられましたらありがとうございます。
楽しんでいただけてると嬉しいです。
特にネタバレなどはないちょっとした裏話です。長ぇあとがきみたいなものですね。

エロいBLが…書きたい…! という情熱で書きました。
当然ながら私比で濡れ場が多いですが、ファンタジーとしても楽しく書いたので、お話も楽しんでいただけるんじゃないかなと思いますというか内容的にはいつもの私でしかありません。
たしかあとがきにも書いた気がするんですが、私は普段あんまりエロをいっぱい書く方でもないので、急にエロい本を出したら読者さんがびっくりしちゃうんじゃないかしらとか、逆にエロ好きな読者さんに「こいつエロくねえし買ってもなあ」と買い控えられても悲しいので、ペンネーム変えようと思ってたんですよ。ちゃんとそれ用の名義も考えていたんですよ。
でも書いてみたら、エロ比率はともかくとして、こう、お話とかキャラがどう足掻いても渡海奈穂作品でしかなかったので、名前そのままにしておきました。

あと逆行もの+自分を殺した男に惹かれてしまうやつをですね、ずっと書きたかったっていうのもあって、しめしめとそれをやりました。
いや~楽しかったな。
フィオンが割とすごく気に入っています。エロい目に遭う受けとして非常にとんでもなく書きやすかったよ。
あとめちゃくちゃ心がおしゃべりなキャラが元々好きなんですよね神崎弟とか。見えるものに対して常に心で突っ込み続けているけど表には出ないから物静かな人だと思われるタイプのひねくれ者。
これ三人称で書いたら全然違う印象の話になったんだろうな。最初から一人称でやろうと思っていたんですが、三人称にしなくてよかった。気がする。
アルシーザは前世で残虐王に至るまでに結構精神的に悲惨な目に遭っているので、特に本文に直接反映されることもないのですがその辺を脳内上映しては「おまえ…可哀想だな…」と気の毒がる一人遊びをしていました。
セオリーとして前世を夢に見て魘されるみたいなエピソードがあってもいいなと思いちょっと書きたくなった。SS書こうあとで。
それにしても私は一方的に消える受けを執念深く追いかける攻めが好きすぎやしないか。

これも多分あとがきに書いたけど、本当はもうちょっと短めというか、短篇…中篇くらい? 雑誌にポンと載るくらいのボリュームで、かつワンコインくらいで買えるようにしようという企画にしたかったんですよ。
イラストがいつもと違ってカバーと人物紹介のみなのも、ガッチリした文庫というよりは、気軽に読めるエロ短篇の電書を出そうという試みのためです。
が、書いてみたら、とてもそれで収まる話ではなかった。むしろ何でこれが何で収まると思った? っていう為体ですわ。
雑誌の小説ディアプラスってたしか基本原稿用紙(20*20)で150ページっていう依頼だったと思うんですよね。もう最初の依頼が太古の昔なんでよく覚えてないんですけど。でもそれより短くなっても長くなってもまあいいよ、みたいに野放図な感じだったんで(わからん、私だけだったのかもしれんけど。でも結構みんな好き勝手やってましたよね)、私は大体長くなる傾向があったんですよ。下手したら200ページとか越えてたな。
というのを思い出しました…今回のを書いてて…。
終わらん、なぜ終わらん、書いても書いても終わらんぞ、っていう。
結局原稿用紙で270枚くらい、もう普通の文庫です。私が今までに出した一番薄い文庫より厚いよ。
値段も思ったより上がってしまって目論見が外れた…妙だな…。
これも次があったらスパッと短めでエロ濃縮みたいなのをやってみたいなあ。
「名前を変えてエロを書く」試みに若干未練はあるので、次の機会があれば…あるのか…? あったら、ペンネーム変えてやってみたいです。どエロいやつを。
プロット二本出して、どっちもいけそうだから今回はとりあえずこっちで、みたいな感じだったので、残った方も書きたい気持ちもあり。

ところでエロBLの電子配信は、本当は自力でやろうと思っていたんですよねずっと。
自分で、電気犬文庫から、poetaとかみたいにKindleで売ろうと。
紙媒体というものが非常に厳しくなってきて久しく、でも電書に活路を見出していたので、積極的に利用していかない手はないぞ…と思ってKDPに手をつけはじめたという流れがありまして。
以前からやりますやります言うて、でも仕事の〆切などを優先しているとなかなかタイミングが掴めず、このままだと一生やらん気がしてきたので、もういっそと思って新書館さんに「電書でエロっていうのをやってみたいんですが」って言ったらあっさり「いいですよ」って言ってもらえたので、新書館さんでやることにしました。ありがとうございます。
ディアプラス文庫にしては毛色が違うし、文庫というには短め(の予定でした前述の通り)なので、レーベルはどうするのかなあと思っていたんですけど、「ディアプラス文庫」の括りに混ぜてもらってましたね。実は情報が出るまで私もどうなるのか知りませんでした。
こういうのの前例がないので、多分新書館さん的にもどうするか困っていたんではないだろうか。すみません。

冒頭でも言いましたが、昨年くらいから私の中で空前絶後のエロブームが来ていて、今ならエロを! 書けますが!? みたいな気分でもあったんですが、実は結果的にはすごい苦労しました。
エロシーン自体を書くのはやっぱり滅茶苦茶楽しくて、話が長くなっちゃうのはいつものことなので別に際立って大変というわけでもなく、じゃあ何で苦労したのかったいうのがちょっと言い辛い理由なので、あとで限定記事で書くわ。苦難の軌跡を。
でも苦労した分、やろうと思ってたことは割とできたし楽しいものになっている気がするので、たくさん読んでもらえると嬉しいなあ。

そして、電子配信っていうのは、紙と違って一冊も売れなかったら新書館さんにも私にも一銭も入りません。怖い。
電子だからいつでも買えるのがメリットかと思いますが、なにぶんお買い上げの実績が積み上がらないことには次に続く機運も消失してしまうため、興味はあるけど迷っているという方はぜひ思い切ってのご購入をいただけますと幸甚に存じます。
電子書籍はちょっとな~っていう方も、最近の電書はいろいろ読みやすくなってるので、これを機会に試してみるのはどうでしょうか。いかがでしょうか。
文字サイズとか行間とか好きにいじれるから読むの楽ですよ。
私は小説の電書はほぼKindleで買ってKindle oasisで読んでいるので、Kindleいいよってお勧めしようと思ってたんですが、今は無印のKindleもクッソ高いんですね、私が最初買った時のほぼ二倍するんだが…?

広告ありで8GBのモデルとかが消え失せてるのか。
Kindle Unlimitedとか入ってる人は買ってもいいと思います。お風呂で読むタイプの人はPaperWhiteの方がいいかも。
いやでも高いな。セールになるとかなり割引されるのでそれまで待った方がいい。

もはや入門として買うもんでもないかもというか、今はスマホとかタブレットでも全然読みやすいと思うので、お手持ちのガジェットでお楽しみください。PCでも読めたりするよね。私は漫画を割とPCで読んでるわ。
ただ本当に電子書籍を読む端末としては大変優れているので、電子ばっかり読んでるよって人は買うのもありですよ。

私が買った時は三万円半ばくらいで、それだけあれば何冊本が買えるかと悩みもしましたが、結果的に後悔は全然してませんUSB-Cになってから買えばよかったなとは思っているが。やっぱりスマホと比べると格段に読みやすいんじゃ…。

それとKindleではやっないみたいですが、新刊発売と同時に既刊フェアもやっていますので、併せてご利用いただければ嬉しいです。

ディアプラス文庫「元魔王の逆行魔術師は恋と快楽に堕ちる」電子限定で配信開始&【対象書店限定✨5/2まで✨】 ディアプラス文庫新刊配信記念既刊30%オフ実施中‼
あらすじや試し読みなどはこちらから↓ https://www.eleki.com/2024/04/19/post-24694/ 対象書店限定✨5/2まで電子書籍…
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サイトさんごとにクーポンなどあると思ういますので、そちらもご活用ください。
hontoさんは割とBL関連のクーポン定期的に出してるのでいいぞ。

あと本屋さんに並ばない本なので、ネット上、SNS上の宣伝が命となっております。当分しつこいほどおしらせをすると思いますがご容赦を。でも毎日いっぱいおしらせしても、そんなに人目にはつかないものなんだよな。
読んでお気に召した方には、拡散ご協力いただけますととても嬉しいです。
あと今回こそハッシュタグ企画をやろうと思っていますので、ご感想を #元魔王の逆行魔術師は恋と快楽に堕ちる のハッシュタグと共にX(元Twitter)に投稿してくださった方には、何らかの方法でSSをプレゼントさせてください。ちょっと今立て込んでるのと体調がすさまじく悪いので実際お渡しできるのは、いろいろ落ち着いた後になってしまうと思いますけれども。

というところまで書いたところでさらに体調を崩して宣伝もままならなくなったよ、何て可哀想なんだ…これから頑張ります。
しかし毎度キャラの裏話というよりも制作の裏話になってしまうな。