『夢は廃墟をかけめぐる☆』裏話

撮影に訪れた廃墟の島で、カメラマンの伊原木は一人の男と出会う。周囲の景色に無理なく馴染む様子に、伊原木は理想の“廃墟の精”を見出した。その彼と町中で再会する。“廃墟の精”の正体は三島要、会社から不当解雇され妻とも離婚し、人生を捨てかけている元エリートサラリーマンだった。行き場のない三島を伊原木が家に連れ帰り共に暮らすうち、自由な伊原木に影響され三島も変わり始め……。年下攻ストレンジ・ラブ!!
イラスト:依田沙江美

何か読んだ人からは、内容がどうこうというより☆のことばっかり言われる。ごめんごめん、謝るのでどうかもうつっこまないでください。

ええとおとなの人の話を書くのが苦手なので、おとなになりきれない人たちを書きました。
オタクの人たちを書くのは楽しかったです。三島も伊原木も楽しかったけど、伴茶夢に集う人たちを書くのも大変楽しかった。
どうでもいい話ですが、伏見と朝倉の他にもうひとりいて、3バカみたいな感じだったのを、あんまりオタクたちにページを割くのもいかがなものかと思ってひとり消滅した。朝倉だけ妻帯者です。本当にどうでもいい。
伴茶夢は、うちの近所にあって「すげぇ名前だな!」とやたら気になる店の名前を勝手に取りました。来夢来人でもいいかなと思ったんだけど。ずっとハンサムって読むと思ってたのに、実はバンチャムでびっくりしました。

三島に関しては、後書きでヘンなこと語っちゃって後ですごく悔やんだんだけど(恥ずかしくて…)まああのとおり、ちゃんとしあわせに出来てひとりで勝手に満足しました。三島がどうしていい学校とかいい会社に固執するようになったか、の辺りが、その高校時代に体験したできごとに関わってて、これを同人誌で出したらどうかなーと思って読み返したら目から血が出そうになったのでやめた。高校生の頃に書いた文章は破壊力が大きすぎた。ちなみに三島の一人称でした…。
いつか三島が伊原木に話す形でとか、書き直せればいいなと一瞬思ったんですが、何か本当にしょうもない話だから聞かされても伊原木も反応に困る気がする。
三島は何かデイトレで成功して、管理人業と伊原木の手伝いだけじゃ暇をもてあまして、なんだかんだ自分で事業も始めて、気づいたら資産家になっていくんじゃないかなと思います。そんで別の取り壊しの危機にある建物を買い取って、第二三島荘とか作ればいいんじゃないだろうか。